不動産の売却は、多くの人にとって人生で1〜2回しか経験しないことです。「何から始めればいいかわからない」という方のために、査定依頼から引き渡しまでの全体像を7つのステップで解説します。
売却完了までの7ステップ
- 売却の準備・情報収集 相場を調べ、売却の目的(住み替え・相続・資金化など)と希望時期を整理します。住宅ローンの残債がある場合は残高も確認しておきましょう。
- 不動産会社に査定を依頼 複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額と対応を比較します。1社だけではなく3〜5社に依頼するのが一般的です。
- 不動産会社と媒介契約を締結 売却を依頼する不動産会社を選び、媒介契約を結びます。契約の種類は「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3つがあります。
- 売却活動の開始 不動産会社がポータルサイトへの掲載、チラシ配布、内覧対応などを行います。売主は内覧時の準備(掃除・整理)をしておくと印象が良くなります。
- 買主と売買契約を締結 購入希望者が見つかったら、価格や条件の交渉を行い、合意のうえ売買契約を結びます。この時点で手付金(売却価格の5〜10%程度)を受け取ります。
- 決済・引き渡し 残金の受け取り、鍵の引き渡し、所有権移転登記を同日に行います。住宅ローンの残債がある場合はこのタイミングで一括返済します。
- 確定申告 売却した翌年の2月16日〜3月15日に確定申告を行います。利益が出た場合は譲渡所得税がかかりますが、特例により控除を受けられる場合もあります。
売却にかかる期間の目安
| ステップ | 期間の目安 |
|---|---|
| 準備・査定 | 1〜2週間 |
| 媒介契約〜売却活動 | 1〜3ヶ月 |
| 売買契約〜引き渡し | 1〜2ヶ月 |
| 確定申告 | 翌年2〜3月 |
全体で3〜6ヶ月が目安です。ただし物件の種類や立地、市場の状況によって大きく変わります。
3つの媒介契約の違い
ステップ3で登場する媒介契約には3種類あり、それぞれ特徴が異なります。
| 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 | |
|---|---|---|---|
| 複数社への依頼 | 可 | 不可 | 不可 |
| 自分で買主を見つける | 可 | 可 | 不可 |
| 契約期間 | 制限なし | 最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 |
| レインズ登録 | 任意 | 7日以内 | 5日以内 |
| 活動報告 | 義務なし | 2週間に1回 | 1週間に1回 |
ポイント
「専任媒介」が最も一般的です。不動産会社が積極的に販売活動を行い、定期的に状況報告を受けられるメリットがあります。ただし1社にしか依頼できないため、信頼できる会社を選ぶことが重要です。
査定を依頼するときのポイント
複数社に依頼する
1社だけでは査定額が適正かどうか判断できません。3〜5社に依頼し、査定額の根拠を比較しましょう。
査定額だけで選ばない
査定額が最も高い会社が最良とは限りません。査定額の根拠、過去の販売実績、担当者の対応なども重要な判断基準です。
注意
相場より極端に高い査定額を提示する会社には注意が必要です。契約を取るために意図的に高い金額を提示し、契約後に値下げを求めてくるケースがあります。
必要書類を準備しておく
査定をスムーズに進めるため、以下の書類を手元に用意しておくと便利です。
- 登記簿謄本(登記事項証明書)
- 固定資産税の納税通知書
- 間取り図・建築確認済証
- 住宅ローンの残高証明書(ローンがある場合)
まとめ
不動産売却は「準備 → 査定 → 媒介契約 → 売却活動 → 売買契約 → 引き渡し → 確定申告」の7ステップで進みます。
特に重要なのは、ステップ2の査定とステップ3の不動産会社選びです。複数社に査定を依頼し、査定額だけでなく対応や実績も含めて判断することが、納得のいく売却への第一歩です。